クラフトビール専用サーバー「タップ・マルシェ」体験レポート|キリンビール×FootPrints

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REPORT >> レンタル費無料!? 全国各地20銘柄以上が味わえる「タップ・マルシェ」を体験しました!

2020年1月23日(木)“ワン・ツー・スリー!”と新年の幕開けにぴったりの日に、キリンビール株式会社さまとのコラボ企画「ゲストハウスオーナーが集うクラフトビールの会」を東京で開催しました。

キリンビール独自開発のクラフトビール専用サーバー「Tap Marché(タップ・マルシェ)」で注ぐクラフトビール4種とFootPrintsがセレクトするおつまみ4種を味わいつつ、クラフトビール市場やタップ・マルシェについて楽しく学ぶ会となりました。満員御礼となる25名で24L(!)を飲み干すほどの大盛況。東京・千葉・山梨・秋田・鹿児島など各地よりご来場くださり、誠にありがとうございました。

会場からは、全国各地20種類以上のクラフトビールを手軽に発注できることに加え「サーバーのレンタル費やクラフトビールの送料も無料!? ECサイトから英語や中国語のメニューまで簡単に出力できるの!?」と至れり尽せりの仕組みに驚きの声が終始上がり、早速設置を決められた方もいました。

「クラフトビールが好きだし、今後のインバウンド対策のためにも参加したかった。。」とお思いの方、ご安心ください。以下にて当日の様子をレポートします!

目次

クラフトビール専用サーバー(ディスペンサー)の「タップ・マルシェ」。今回は各自で注ぐところから体験しました。
会場として、東京・浅草橋にあるゲストハウス「Little Japan」さまの1階・カフェスペースをお借りしました。
おつまみは、千葉・栃木・鹿児島のゲストハウスの方々が手掛けたものと、FootPrints「だり」の地元和歌山のもの。

20〜30代の日本人や訪日外国人の需要が急増する
「クラフトビール」とは

まず、今回お話くださったキリンビール株式会社 企画部 クラフトビールチームに所属する宮崎 玲さんをご紹介しましょう。キリンビールと言えば大手酒造メーカーですが、2018年4月に全国展開されたタップ・マルシェを扱うクラフトビールチームは社内ベンチャーさながら。9名の少数精鋭チームです。

宮崎さん自身は、大学時代にブラジルへ1年半留学し、留学中に南米のゲストハウスやホステルを泊まり歩いていたそう。さまざまな国籍の人たちがお酒という共通項で繰り広げる異文化交流に魅了され、今の仕事に至ったと言います。そんな宮崎さんのプレゼンは「クラフトビールとは?」からはじまりました。

スクリーンの前に立っている男性が宮崎さん。

実は、世界で統一されたクラフトビールの定義は存在していないんです。例えばアメリカでは、ブルワリーが小規模である・独立している・伝統的であるといった定義がありますが、他にもさまざまな見解があります。なので、キリンビールとしては「作り手の感性と創造性が楽しめるビール」と定義しています。

ビールを分類する「ビアスタイル」は100種類以上ありますが、これまで国内で広く普及していたビールのほとんどは「ピルスナー」という1つの種類に当てはまっていました。現在日本ではクラフトビール文化が広がり、気軽に多様なビアスタイルを楽しめるようになっています。

クラフトビールの人気は右肩上がり。直近の6年間で販売量は2倍に増え、国内のブルワリー数は過去最大数を年々更新し現在約400カ所が稼働。メディア露出も増加し、ワード検索数も上昇しているそうです。

意外なことに、クラフトビールを飲んでいる主な層は若者です。20〜30代の男性・女性ともに、これまで通常のビールに馴染みのなかった人たちがクラフトビールを好んでいる傾向にあります。

また、訪日外国人の方々に向けたアンケートで「日本ではどのアルコールが飲みたいですか?」という質問の回答として、上位3位は、日本の生ビール(100%)・日本酒(90%)・日本のクラフトビール(65%)という結果が出ています。最近では訪日リピーターが増えていることから「未体験な日本らしさを楽しみたい」と考える方々が増えているようです。

タップ・マルシェがあれば、気軽に多品種少量でクラフトビールを飲み比べられるのでいいですね。

FootPrintsの統計では、ゲストハウス利用者は20代半〜30代半がボリュームゾーン。加えて、日本を訪れる海外ゲストのクラフトビール需要もあるとなれば、ゲストハウスのターゲットとぴったりですね…!

しかし、現時点のクラフトビールの国内シェアは約0.8%。クラフトビール先進国のアメリカの国内シェアが約12%であることから、日本はまだまだ伸びしろがあると言えます。東京オリンピックの影響で訪日外国人が2020年に4000万人を超えると予想される今、「JAPANESE CRAFT BEER」を訴求することで、ますます集客や売上アップにつながる可能性があります。

使い勝手抜群! 全国各地のクラフトビールが楽しめる
「タップ・マルシェ」とは

このように消費者の需要はあるものの、これまでクラフトビールを仕入れてサーバーで販売するには大型の設備導入が必要で、さらに15Lや20Lの樽での取り扱いが主流だったため在庫を抱えやすく品質管理も難しく、ハイリスクでした。なので薄利を承知で、瓶で販売しているゲストハウスもありました。

そんな状況に彗星のごとく現れたのがタップ・マルシェ。全国展開からたった1年半で急激に普及したことから、その年に活躍した外食産業界の人物が表彰される「外食アワード2019」も受賞しています。

クラフトビールが飲める飲食店は、2015年時点で300件ほどだったのですが、現在は1万3000件以上。タップ・マルシェの設置店舗数も約1万3000件なので、手前味噌で恐縮ではありますが、日本でクラフトビールの供給が進んだ背景にはタップ・マルシェが大きく起因しています。

側面はホワイトボードの素材でつくられているそう!「今日のおすすめは〜」などの文字やイラストが描けちゃいます。

最近では、飲食店だけでなく、映画館・社員食堂・温浴施設など、幅広い業態でタップ・マルシェの設置が広がっているそう。さて、そんな大注目のタップ・マルシェにはどんな特徴があるのでしょう?

最大の特徴は、日本各地のクラフトビールから好きな銘柄を選んで、1台で同時に最大4種類を気軽に取り扱えることです。現在のラインナップは14ブルワリー・28種類で、随時拡大しています。

使い方は簡単で、エスプレッソマシーンのようなこの専用サーバーを設置し、キリンビールで独自開発した3Lのペットボトル容器に入ったクラフトビール4本をサーバーの中に差し込むだけ。クラフトビールの発注も簡単です。設置店舗専用のECサイトを使って、1種類あたり1箱2本セットから注文できます。送料は全国無料です。

宮崎さんが手に持っているのが、クラフトビールの入ったペットボトル容器。キャップを外してアダプターを取り付けるだけ!

サーバー内に保冷機能が備わっていることからクラフトビールが常に保冷状態となるため、開封後1週間は高品質が維持されます。さらに未開封であれば、ほとんどの種類で6カ月間の保存が利くそう。サーバーやペットボトル容器を独自開発し、製造〜出荷の全過程で研究し尽くしたからこそなせる技ですね。

通常の生ビールは樽を変えた直後、“捨てる部分”がありますよね。でもタップ・マルシェはペットボトルを変えた直後から安定して注げるため1杯目から販売でき、ロスなくお使いいただけます。

洗浄も手軽です。通常の生ビールだと営業終了後に、専用の器具を使って2〜3mにわたるビール経路を毎日水とスポンジを通して洗浄…となりますが、タップ・マルシェはそもそもの構造が違います。ペットボトルを新しいものに交換する時に、短いチューブを水で濯ぎ、注ぎ口を専用のブラシで洗うだけ。また、空のペットボトルは資源ゴミとして扱えるので、回収の必要もありません。

次々と出てくるメリットに興味を持った参加者から「サーバーのレンタル費は…?」と質問があがりました。宮崎さんの回答は「無料です」。つまり設備投資として基本的に必要なのは、炭酸ガス1本のみ。炭酸ガスは酒屋で1本あたり1〜2万円で購入でき、1年間使用できます。ガス圧は、通常の生ビールの2〜3よりぐんと低く、0.8でOK。気温による圧力調整もいっさい不要なのだそう。こりゃすごい!

炭酸ガスは「通常の生ビールサーバーに使用するものと同じです」とのこと。酒屋によって多少値段に差があるようです。

発注・フードペアリング・原価計算もできる! 
設置店舗専用の「ECサイト」とは

タップ・マルシェを設置した店舗は、クラフトビールをオンラインで発注する「ECサイト」が使えるようになります。IDとパスワードでログインし、Amazonや楽天のように商品と数量を選べば翌々日にクラフトビールの入ったペットボトルが箱で届き、注文履歴も残せます。

しかし、ここで終わりではありません。このECサイトが実に多機能なのです。まず、注目したいコンテンツは「フードペアリング」。ワイン同様に相性のいい食べ物を組み合わせてクラフトビールをより楽しもうというもので、基礎知識から具体的な組み合わせMAPに至るまでをECサイト上で紹介しています。

フードペアリングを考える3つのコツは、色・味の強さ・特徴です。例えば、本日1杯目に飲んでいただいた「daydream」は山椒や柚子など和素材がアクセントのホワイトビールなので、白色・繊細な味わい・個性的な香りという要素から考えると、本日のおつまみでは千葉県の「チバベジ」のピクルスなどと相性がいいです。逆に味の濃いものと合わせると、味や香りがかき消されてしまいます。

クラフトビール「496」は色が濃くてアルコール度数も高いので、本日のおつまみでは和歌山県産のジビエのステーキ「こころうたれる」との組み合わせがおすすめです。ただ、合わない組み合わせを体感することもフードペアリングを極める近道なので、ぜひいろいろ試してみてください。

他にも、山梨県にブルワリーを構える「東京IPA」には鹿児島県のゲストハウスが手掛けるイワシのオイルサーディン「旅する丸干し」、茨城県の柚子をたっぷり使った「常陸野ネストゆずラガー」には栃木県のゲストハウスが手掛ける無脂肪乳を用いたお菓子「バターのいとこ」がマッチしたりと、宮崎さんの解説のもと参加者の皆さんとフードペアリングを体験。やっぱり食のイベントは楽しいですね!

おつまみの詳細は末尾に記載しています。どれもおすすめなので、ぜひチェックしてみてくださいね(画像提供:各サイトより)

次に注目したいコンテンツは「クラフトビールメニュー簡易作成」。20種類以上あるクラフトビールから4種類を選ぶたびにメニュー表を自作していたら大変です。しかし、このECサイトに掛かればお手の物。銘柄を選び、容量や価格などを入力すれば、すぐにPDFデータが完成。印刷して店頭で使用できます。

日本語に加え、英語・中国語簡体・中国語繁体・韓国語の全5カ国語に対応しています。海外ゲストの多いゲストハウスにとって多言語対応は嬉しい。しかも写真と解説付き! 在庫を切らした際は「coming soon!」のマークを載せることができ、飲み比べセットをつくった際の台紙を作成することもできます。

そして、最後に注目したいコンテンツは「販売価格検討ツール」です。タップ・マルシェを用いたクラフトビールの販売価格は店舗側で自由に決めることができます。そこで「何mlを何円で売るか?」を検討しやすいようにと、種類ごとに原価率と粗利高を自動計算できるツールが用意されているのです。

ビールカテゴリーは「原価率が高くて、あまり儲からない」というイメージがあるかもしれません。ですが、通常の生ビールよりも高価格で売れるクラフトビールを取り扱うことによって、客単価をアップすることができます。

思い返してみてほしいのですが、ジョッキになみなみと注がれたクラフトビールってあまり⾒ないですよね。だいたいがちょっとお洒落なグラスに注がれています。具体的に調べたところ、1杯あたりの提供量の平均は200〜250mlでやや少なめ、販売価格は通常の生ビールの50~100円高く設定しているお店が多くなっています。それでも作り手のこだわりや個性が詰まったクラフトビールなので、お客様からは好評をいただくことができ、クラフトビールを楽しんでいただいています。

感想とまとめ

このように、想像以上の至れり尽くせりっぷり。
ゲストハウスオーナーの方々からも度々「へぇ、便利…!」と感嘆の声が漏れていました。

メリットばかりでステマ記事っぽくまとまってしまったので。。。あえてデメリットを挙げるなら、タップ・マルシェのサーバーはある程度幅があるため、小さな宿だと設置場所の確保に困るという点でしょう。なので、その場合はスリムな「2タップ型」から検討してみてもいいかもしれません。

あとは現時点で、タップ・マルシェと提携したブルワリーがある県は、東京・岩手・長野・茨城・三重・兵庫・愛知・山口・宮崎などなので、地元の県が登場するまで保留したい方はいらっしゃるかも。取り扱いブルワリーは続々と増加中ですので、気になったタイミングでフォームから問い合わせてみてください。また、タップ・マルシェを導入するには「飲食店営業許可」が必要なので、その点もお忘れなく!

Point

🍺 クラフトビール消費者とゲストハウス利用者の客層が近い
🍺 専用サーバーのレンタル費は無料。商品の送料も無料。必要なのは炭酸ガス1本。
🍺 20種類以上の銘柄よりクラフトビールを選択し、1箱(3L×2本)から発注できる。
🍺 独自製法により、未開封なら約6カ月開封後なら約1週間保つ。
🍺 1杯目から販売できロスがほぼなく販売価格は自由に設定でき、原価率の平均は30%前後。
🍺 クラフトビールの取り替え・サーバーの洗浄・ガス圧の管理・商品の発注も簡単
🍺 ECサイトから発注すると、宅急便で翌々日に商品が届く。※一部の地域を除く。
🍺 ECサイトが多機能。多言語対応のメニュー作成や原価計算ツール、現場で役立つ知識あり。

タップ・マルシェに関する資料請求や設置の依頼はこちらへ!

Special Thanks

▼会場としてご協力くださった方
Little Japanさま

▼ おつまみに関してご協力くださった方々(50音順・敬称略)
創業約80年のイワシの丸干し屋×宿「旅する丸干し」by. イワシビル / 鹿児島
台風をきっかけに誕生した“食べる援農”「チバベジ」by. おもてなしラボ  / 千葉
害獣を美味しくいただく「こころうたれる」by. 古座川ジビエ / 和歌山
無脂肪乳の価値を高める「バターのいとこ」by. Chus / 栃木

▼ 今回ご参加くださった方々(50音順・敬称略)
おもてなしラボ
御宿ゲストハウス 海おやぶん
お茶の間ゲストハウス
株式会社LIFULL 地方創生
きよかわゲストハウス
グレープハウス高円寺
古民家ゲストハウス汐見の家
シーナと一平
品川宿 / 宿場JAPAN
Soft. Guest house
tu.ne.Hostel(ツネホステル館山)
鉄道ゲストハウス 鐡ノ家
Bar & Stay Yuzaka
ブンカホステルトーキョー
訪日外国人観光客向けWebマガジンMATCHA
屋久島サウスビレッジ など

▼ タップ・マルシェが気になるという方へ
公式サイト https://www.tapmarche.jp/
資料の請求先 https://faq.kirin.co.jp/form/kh_47.html