ゲストハウス開業における法的な手順

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以下に記載しているのは、ゲストハウス開業における手順の要点であり、大枠の概要となります。詳細は必ず、開業希望地を管轄する役所・保健所・消防署へご自身で確認してください。また、以下は役所に勤務されている建築主事の方に直接お教えいただいた内容ではありますが、2019年7月23日時点のものですので、法改正などがあった場合は、最新の情報に従ってください。

ゲストハウス開業において、必ず満たすべき3つの法律

  1. 建築基準法 (役所へ) :用途変更について(=建物を合法に使用するために)
  2. 旅館業法 (保健所へ) :営業許可について(=宿として合法に運営するために)
  3. 消防法 (消防署へ)  :法適合性について(=火災発生から人命を守るために)

※本来宿でない物件を宿として使う場合、用途変更(=建物の使用目的の変更)の申請が必要です。
※各所を訪問される際には、開業予定物件の図面や地図などを持参されることをおすすめします。
※訪問する順番は、上記順がおすすめです。その理由は、(1)でそもそも開業希望地で宿の開業が可能か否かの前提を確認でき、(3)が物件ありきの話が主となるためです。

▼大前提として
物件の規模にかかわらず、上記3つの法律を全て満たす必要があります。必ず、開業希望地を管轄する役所・保健所・消防署の3ケ所全てを訪問し、指示を受けてください。また、以前まで、用途変更の難易度が上がるラインは「100㎡」でしたが、2019年6月25日の法改正により「200㎡」に緩和されました。いずれにしても、上記3つを満たす必要があることに変わりはありません。

▼200㎡を超える物件の場合 ※もともと宿泊施設ではない物件
(1)(2)(3)を満たし、3ケ所全てから正式に、許可および確認済証を得る必要があります。

▼200㎡以下の物件の場合
(2)(3)を満たし、2ケ所から正式に許可等を得る必要があります。(1)についても要件を満たす必要はありますが、申請をする必要はありません。満たしているかどうかの最終判断は自己確認となります。直接役所へ出向いて相談する必要はありますが、指示を受けた後の現場は自己確認ということです。

※ただし、自己確認といっても、他者から永遠に確認されないという意味ではありません。1年に1度、消防署から(3)の訪問点検が入る際に、同時に(1)が不適合と確認された場合は、消防署から役所へ情報提供がなされ、宿側へと指導が入ります。

▼廃業した元宿泊施設の物件を活用する場合
(1)はすでに完了しているので、(2)(3)についてのみ、新たな情報で許可を得る必要があります。

▼違法になるケース例
× 200㎡以下の物件で(1)の自己判断が誤っているケース
× (2)(3)のみを取得して完了だと勘違いしてしまい(1)が漏れているケース
※近年では、役所・保健所・消防署が情報を共有しあい、漏れ防止対策をはじめた市町村もあります。

用途変更を進めるうえで、役に立つサイト

本来宿でない物件を宿として使う場合、用途変更(=建物の使用目的の変更)の申請が必要です。

その際、図面が必要ですが、図面が見当たらないという場合は、図面の復元が必要となります。さらに、確認済証や検査済証も必要ですが、古い物件はそもそも過去に検査を受けていないというケースも少なくありません。その場合、建築士が現場調査を行い、確認申請書などの通り施工されていることを証明する必要があります。ちなみに、単に書類を紛失している場合は、役所の台帳で確認することができます。

証明の際に「証明する建築士」と「確認をする役所担当者」との間で、認識のズレなくスムーズに証明確認ができるようにと作成された資料が、和歌山市の公式サイトにアップされており、誰でもダウロードすることができます。実際に和歌山市のゲストハウスでも使用された実績のある書類ですので、必要に応じて、ご活用ください。

画像参照元:和歌山市の公式サイト

民泊とは? 旅館業法と民泊新法の違いは? わかりやすいサイト

法令上の明確な定義は存在しませんが、「民泊」は、一般的に「住宅の全部または一部を活用した宿泊サービスの提供」と捉えられています。しかし、2018年6月15日に民泊新法(住宅宿泊事業法)が施行されて以来、「民泊」=「民泊新法の許可を取得し、年間180日以内で宿泊サービスを提供する宿」という意味で会話されるケースが多くなっていますので、ご注意ください。

現在、有料の宿泊サービスの提供を国内で行う場合には、基本的に、旅館業法・民泊新法・特区民泊のいずれかの許可の取得が必要です。取得難易度は、旅館業法>民泊新法>特区民泊、と言われています。

「宿を開業したいが、物件面や資金面がネックとなり、旅館業法を取得することができない」という方は、観光庁が運営する下記の「民泊制度ポータルサイト」などで、まずは民泊新法について調べてみると良いかもしれません。

民泊とは?旅館業法と民泊新法の違いは?
民泊新法とは?

画像参照元:民泊制度ポータルサイト

理解ある行政の方がいらっしゃる地域もありますが、残念ながら、ゲストハウス開業の対応経験がまだ少なく、行政側の知識が不十分な地域もあります。開業を希望される方々自身が「知らなかった!」で損をしたり、結果的に違法となりませんよう、この場で要点だけでもご理解いただけましたら幸いです。

※各市町村によって詳細が異なるため、FootPrintsでは法律に関する相談や質問をお受けしておりません。必ずご自身で、開業予定地を管轄する役所・保健所・消防署へ出向き、詳細をご確認ください。

※他、農家民宿(住宅の一部・客室の床面積33㎡未満・災害時の避難が用意な場合などに適合)や特区など、地域により異なる施策が存在する場合もあります。役所・保健所・消防署にてご確認ください。