ゲストハウス未来案

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とある企画のスピンオフから、私の頭の中に日頃からある「こんなのつくりたい!」という、妄想未来の記事を書くこととなりました。仲間探しの公開提案書のようなものかもしれません。面白いねと笑って一緒に前向きな肉付けをしてくださる素敵な方に出会えましたら幸いです。

というわけで、日本各地のゲストハウスをここ数年で80軒ほど巡っている29歳女の頭の中に日々ぽこぽこと浮かんでくる「いつか誰かと一緒につくりたい未来」を書き綴ってまいります。

※アイデアベースの記載のため、そのまま実行すると物理的に実現不可なものもあるかもしれません。実走直前に微調整が入るかもしれない前提で、現段階でのアイデアとしてお読みください。

※何事もプランを実行するにおいて、何かしらのデメリットは必ず発生するもの。大事なのは実行前にデメリットを検討して、できる限りの解決手段を打って進めていくことです。ただ、ここで全てを記載すると超大作になるため、デメリット以降の話は一旦割愛します。

案1|組み合わせのゲストハウス

増加傾向にあるゲストハウス業界で、他者と差別化するためにカラーを出す方法として「こんなところに泊まってみたかった!」「こんなところに泊まれるだなんて!」の要素と掛けあわせる。最近では組み合わせ型はすでに登場していて、わかりやすい例は「泊まれる図書館」ですよね。既存の「泊まれる居酒屋」「泊まれるカフェBar」「泊まれる町の案内所」も組み合わせ型と言えます。

楽し気な言葉だけでアイデアを組み合わせると、さらに夢が膨らみます。泊まれる映画館・泊まれる小学校・泊まれる工場・泊まれる純喫茶・泊まれる美術館とか。(私は個人的に、地元の和歌山県立近代美術館を一部ゲストハウスにしたいとずっと思っています)

箱だけじゃなくて中身の組み合わせがあっても良いかもしれません。泊まるとモテるようになる宿とか。泊まると○○しないといけない宿というアクションの組み合わせも有りですね。筆談だけの宿とか。

とはいえ、もちろんまず大前提に置くべきは、“その場を通じて、どんな世界観を実現したいか”なので、上記はあくまで表現の手段を検討する上での、アイデアのウォーミングアップとしてです。

案2|まちを歩かせる分離型ゲストハウス

旅館業法取得において、200平米未満(2019年6月25日の法改正により100→200平米に更新)だと用途変更の確認申請が必要ありません。簡単にいうと、200平米未満の物件を選んだ方がいろいろ手間が省ける可能性が高い。でも、その分泊まれる人数も少なくなるので、単価を上げないかぎり売上の天井は低くなります。えーじゃあどうすりゃいいのよー、というもどかしさをなんとか解消したいですよね。

そこで、もういっそのこと交流スペースを別館につくればいいんじゃないかって。

【A:泊まる建物】==▲==▲==▲==▲==▲==【B:交流する建物】

Aにはドミトリーや個室や水回りがあって、宿泊施設として成立していて200平米未満。Bが魅力的な場所だから、そこに行ってみたくて遠方からも人が訪れる。Bではお酒も飲めるしイベントもやっていて、日帰りはもったいないからAに泊まる。ついでにその間にある▲のお店も覗いていくから、▲にある地域のお店も儲かったりする。

こういう図式になって、必然的に宿泊者がまちを歩くようになったらイイなと思うんです。Aの窓や玄関からは、Bの賑わいが見えるとなおさら気軽に行けるようになるかもしれません。Bで楽しく過ごした後に、眠くなったらAに戻って、静かに就寝できる。静と動の分離型です。

案3|管理人が毎週変わるゲストハウス

ゲストハウスを運営して皆に逢いに来てほしい、でも拠点を持つことで旅の頻度が減るのは困る…。そんな思いを抱えるひとも少なくないのでは?5年前開業したいと思っていた私もその一人。ライターとして日本各地を巡り、想いを言葉に変えて贈る仕事もやっぱり好きです。

会社の経営論のような「いつか自分がいなくなくても回る組織をつくろう!」ではなく、もういっそのこと運営自体をシェアして、別の人が管理する日を確定してしまえば良いと思うんです。

例えば、1つの場を4名で共有して、1週間ごとに管理人(=女将や店主)が変わる。箱をそのまま共有するから、改装費や固定設備、旅館業取得の手間は、4分の1の負担で済む。1つのサイトを共有して宣伝するから広報は4倍。1ヶ月のうち1週間は、場の管理を約束するという感じ。残り3週間は、場所を選ばないような別の仕事を組み合わせる。ここでいう私の場合はライター業です。

管理人のAさんに逢いたい人はAさんが運営する週に1泊2日、AさんにもBさんにも逢いたい人は、AさんとBさんが入れ替わる日をまたいで2泊3日。管理人4名全員に逢いたければ1ケ月居れば良い。そんな風に、管理人に逢うことを最大の目的に訪れる宿があっても良いし(まちも一緒に巡りたい!)逢うことを目的に長期宿泊をするという選択が生まれたって素敵だなと思うんです。

私は、1ケ月に1週間は女将として宿を守り、3週間はライターとして各地あちこちを巡りたい。その巡って見て触れた情報を、自分が管理人の1週間に凝縮して、宿に泊まる人たちに伝えたいなって。ゲストハウス運営はそんな生半可なもんじゃないぞって怒られちゃうかもしれないけどもしするならば、自分の持ち味は活かせたらなあと思っています。

さて、とある企画のスピンオフから生まれた、私の頭の中にある妄想未来を書き出した「ゲストハウス未来案」、いかがでしたでしょうか?

他にも、ほぼ日手帳さんとコラボして、季節にあった365日宿紹介本とかしたいなーとか、いっそのこと「ゲストハウス」とか「ホステル」とかという表現を一切使わずに、見たことない名前のハウスをつくって新しい分野を切り開けたいなーとか、いろいろモクモク考えたりしています。
その中でも、いつか必ず叶えたい夢は「ポータルハウスnoie」をもう一度。これはいつか実現したい。今はまだ詳細は白紙ベースですが、きっと。

こんな想いを妄想だけで終わらせずに「誰かと一緒につくりたい未来」として、何らかの形で実現できますよう、嗅覚に従って引き続き仲間探しを続けていきます。楽しい未来に向けて、素敵なご縁がありますように!

(イラスト:たきもと つよし